東京K-POPダンススタジオGAZA新宿店
キムヨンミン・大橋睦美
近年、K-POPが日本で人気を集めています。
思わず踊りたくなるような振付と音楽の中毒性に、「自分も踊ってみたい」と、魅力を感じている人は年々増え続けています。
今回は、キムヨンミンさんと大橋睦美さんの夫婦2人で経営する、東京K-POPダンススタジオGAZA新宿店に取材を行いました。
K-POPダンスの魅力や、K-POPを始めた生徒たちの変化、指導者としての今後の目標などをお聞きしました。
大勢の前で踊ることの楽しさに気付き、ダンサーの道へ
-ダンスを始めたきっかけについて、キムヨンミンさんにお伺いしてもいいですか?
小学生のときに、東方神起のダンスを見て「かっこいい」と感じたことがきっかけです。
小学校の学芸会で踊ることになって、「みんなの前で踊ることが楽しい」と思いました。
その後は、中学校、高校とダンスチームを組んで踊っていました。
ダンスの大会にも出ていましたよ。韓国ソウルの大会では賞も受賞しました。
大学進学後に、ワーキングホリデーで1年間日本を訪れました。
もともとアイドルのようになりたかったこともあって、本格的に日本でダンス活動をはじめることになりました。
-大橋睦美さんは、どのようなきっかけでダンスを始めたのですか?
最初はK-POPじゃなくて、ジャズダンスを習っていたんです。
お遊戯会で踊る私の姿を見た両親が「ダンスをさせたほうがいい」と、言ったことがきっかけでした。
ジャズダンスは、10年ほど続けました。K-POPを本格的に始めたのは、高校卒業後に東京へ来てからです。
韓流ブームがやってきたこともあり、高校生くらいのときからK-POPにはずっと興味がありました。
YouTubeにカバーダンスを載せたり、韓国の大会へ日本代表として行ったりした経験もあります。
日本へ戻ってきたときに、応援の声が増えたことを感じましたね。
K-POPをはじめてから、人生が変わった気がします。
旦那さんにも会えましたしね。
-お2人が出会ったきっかけも、ダンスだったのですか?
はい、そうです。
ワーキングホリデーで日本を訪れている最中、K-POPのイベントが新大久保であって、毎週のようにそのイベントで顔をあわせていたことがきっかけです。
お互いアーティスト活動をしていたので、自然と顔見知りのようになっていました。
その後、韓国へ帰ることになって、そこから遠距離恋愛がスタートしました。
2人で一緒にアットホームなスタジオを作りたい
-夫婦でダンススタジオをオープンさせる経緯や思いについて、教えてください
お互いずっとダンスに関わって生きてきたので、仕事を一緒にしてみたいなと感じたことから、ダンススタジオをオープンさせることになりました。
夫婦で仕事することはハードルが高いとわかってはいたけれど、お互いリスペクトしあっているので不安はほとんどありませんでしたよ。
ずっと自分のスタジオを持ちたいと思っていたので、2人で一緒にできたら最高だなと。
夫婦で経営することで、アットホームなスタジオが作れるのではないかとも考えました。
-ダンススタジオを始めて、大変だったことはありますか?
ダンススタジオをスタートさせたばかりの頃はとても大変でした。
知名度やコネがゼロの状態からスタートしたので、あまり生徒の数も多くなくて。
それにお金や経営について何もわからなかったので、オープンしたあとも「家賃払えるかな?」と心配になったりしていました。
ただ助けてくれる人がまわりにたくさんいたことが幸いでした。
工事や物件紹介などいろいろな人に助けてもらって、無事にスタートさせることができました。
-ダンスススタジオの経営を続けていくモチベーションとは?
私たち以外に、講師をしてくれている2人の存在がとても大きいです。
まだ何にも形になっていない状態なのに、その2人が一緒にやってくれると言ったことが、モチベーションになりました。
宣伝不足で生徒がこないこともあり、「今日レッスンなしね」という日もあったのに。本当に感謝しています。
あと、生徒が来てくれて楽しんでいるのを見ていると、「続けなくちゃ」とやる気になりますね。
生徒から、「楽しかった」「できなかったことができるようになったよ」と言われると特に嬉しいです。
なので、生徒の数は追々ついてくるだろう、とネガティブには考えませんでした。
発表会などで生徒が楽しんでいる姿を見るのも、モチベーションにつながりますね。
一回目の発表会では、感動して泣いてしまいました。
ステージの上で生徒たちが楽しんでいる表情を見ると、良い仕事だなと感じます。
周りの人よりも遅いスタートが壁に
-キムヨンミンさんは、今までダンサーとして大変だったことはありますか?
K-POPダンサーとしてのスタートが遅かったことでしょうか。
オーディションを受けた時、周りは中学生や高校生の子ばかりで辛かったです。
もっと早く始めていたらよかったな、と何度も感じました。
-大変でも続けたいと感じる、ダンスの魅力を聞かせてください
一番大きいのは「楽しさ」です。
ステージに立って応援してくれる人の顔を見ると「また踊りたい」と感じます。
そしてまたステージに立ちたくなる。
「ライブよかったよ、元気出たよ」と言われると「楽しいな」「またがんばらなくちゃ」と思いますね。
真似したくなるような振付と中毒性のある音楽が、K-POPダンスの魅力
-K-POPダンスの魅力って、何でしょうか?
良い意味でちょうどいいんです。
難しすぎず、真似したくなるようなふりつけが魅力ですよね。音楽自体にも中毒性がありますし。
振付が難しすぎると覚えようという気にならないものです。
実際にK-POPって踊ると難しいのですが、絶対にできないような振付ではないから、たくさんの人が魅力に感じるのかもしれませんね。
-K-POPダンスって、衣装もかわいいですよね
そうですね、
ステージ衣装もとてもかわいいです。
韓国語には、「個性はあるけれど、統一性のある、指先まで揃っている」という意味の単語があります。
「칼군무」と言って、「みんな揃った、切れ味のいいダンス」という意味があるんですよ。
そこも大きな魅力だと思います。
-GAZAスタジオからうまれたG-projectが人気ですね
はい、G-projectはGAZAスタジオからうまれたダンスチームです。
今はオーディションをして、課題曲にあわせてチームも決めて、YouTubeに掲載していますよ。
撮影は本格的で、動画編集もしっかり行っています。
「G-projectのメンバーになりたい!」と言ってレッスンにきている子もいるほどです。
いずれはG-projectの活動範囲を、韓国にも広げたいですね。
-指導者として接する中で、印象的な生徒はいましたか?
たくさんいますね。
例えば、G-projectで撮影するときに、カメラが苦手だった子が、すごくいい顔をするようになりました。
今では、カメラ目線でウィンクもしてくれますよ。
あと、しっかりと声をだせなかった生徒がいるのですが、その子が声を出せるようになったことが、印象的ですね。
「おはよー!」と明るく、まるで人が変わったように接してくれるようになりました。
親御さんから「うちの子変わりました、家でもよくしゃべるようになりました」と言われることもありますよ。
K-POPのおかげかもしれませんね。
自信がつくことで、自分の殻を破れたのかもしれません。
카쟈(GAZA)は「行こう」という意味。「GAZA카쟈!」と言ってもらえるようになることが目標
-今後、指導者として「こうなりたい」という理想図や目標はありますか?
アットホームな感じを崩さず、生徒たちにオーディションの機会やチャンスなどをたくさん与えたいです。
みんなの意見や「やりたい」という気持ちを聞ける先生でいたい。
そして、いずれ専門学校をつくりたいですね。
「日本でケーポップ専門といったら、GAZA!」というくらいのスクールをつくってみたいです。
GAZAには、レッツゴー(카쟈)という意味があります。
「GAZA카쟈!(GAZAへ行こう)」と言ってもらえるようになりたいですね。
今回インタビューを行ったのは
- 新宿区にあるダンススタジオ「東京K-POPダンススタジオGAZA新宿店」
- 代表 キムヨンミン・大橋睦美
- 公式HP:https://www.gazakpopdance.com/