
久米川木内ボクシングジム 会長 木内 信弥
プロを目指す人から、運動不足を解消したい、ダイエットしたいなど近年では様々な理由でボクシングジムに入会する人が増えています。
今回はボクシングの魅力について久米川木内ボクシングジムのオーナー、木内会長にお聞きしました。
挑戦を続けた選手時代
ーボクシングを始めたきっかけは?
ボクシングとの出会いは、中学生の時父と一緒にテレビで世界戦を見たことでした。その時すごくロマンを感じました。
「これだ!」と思いましたね。高校生になってからすぐにバイトを始めて、初めての給料でボクシングジムに入会しました。
ープロを目指そうと思ったのはいつ頃ですか?
当初から試合をやるならプロしか考えられませんでした。
昔のアマチュアはヘッドギアをつけていてそのスタイルではやりたくないなと思ったんです。
高校生の時にプロテストに通りました。日本でランカーになったのは24年前ですね。
試合に挑んだ時は、毎回死ぬんじゃないかと思いながら出場していました。
でも終わったらまた出たいと思うようになるんです。怖いけど挑戦し続けたいと思いました。
それがボクシングの魅力だと思っています。
ー海外にもいっていた経験もあるようですね
ジムを開く前、もうちょっと自分でやりたくて海外にいってみようと思って、タイやシンガポールにいたことがありました。
言葉が通じなくても、ボクシングをやる上ではそんなに困りません。
そのおかげで、世界中の人と交流することができました。国が違ってもボクシングを通じて分かり合えたことがとてもいい経験になりました。
理想の会長像と葛藤
ー引退してジムをしようと思ったのは?
プロ時代の後半、あまり勝てなくなって来た頃にボクシングをやめたらジムをやろうと思っていました。
「あしたのジョー」のおやっさんみたいに教える人になりたいなぁと。
だから経営者というイメージはありませんでした。ボクシングをいろんな人に知ってもらいたいという気持ちが強かったです。
ー今までに壁を感じたことはありますか?
ジムを開いた当初は、すごく調子が良かったんです。
だからこのまま右肩上がりに行けるかなと思ったいました。しかし何年かたったら周りにジムがたくさん出来て会員数が減ってしまいました。ジムの経営は難しいなと思いましたね。
立地の都合上、大きな看板を建てれないため近隣の知名度があまりなかったのが原因でした。そのため、今では会員さんの9割以上がインターネットからです。
ボクシングの魅力を一人でも多くの人に
ーボクシングの魅力は?
上をめざせるところです。
ボクシングは世界的な競技なので上の人たちが無限にいます。
新人戦の時、トーナメントを一個一個上がって言った時はワクワクしました。
次はどんな対戦相手なんだろうって作戦をたてながら挑んでいました。
個人戦だからこそ自分の努力が実を結ぶところが一番の魅力ですね。
ーボクシングを通じてどんな自分を作れると考えていますか?
私の経験上、素直な人は上達が早いです。素直じゃないと強くなれない。
自分のやりたいようにやってても強くなれないんです。
トレーナーによって言うことは一人一人違いますが、言われたことをとりあえずやってみることが大切です。
それは社会生活においても役に立ってくるんじゃないかと思っています。素直さを大切に、強い自分になれます。
ー指導で気をつけていることは?
第一に気をつけているのは、怪我をしないことです。
このジムには80歳をすぎて入会してくる方もいます。身体を痛めてしまったら元も子もありません。
また女性の場合は飽きさせないように気をつけています。
一つ一つのメニューを軽くして、その代わりにバリエーションを増やして工夫しています。その人にあったメニューを組み立てるようにしています。
また、食事制限はあまりしないようしています。
以前は自分もやっていたのですが、スポーツフードアドバイザーの勉強をするようになって、絞るよりも動けるような体づくりに重きを置いています。
無理に減量させないで、適正階級で出場してもらっています。練習期間はタンパク質中心で試合が近づいて来たら炭水化物を増やすとか、簡単に頭に入れておく程度がいいです。炭水化物は3食摂るほうがいいですね。厳しすぎると続かないので。
始めは運動のために通い始めた人が、ハマって試合に出場する方や、身体を動かしているうちに見た目が変わってくるから楽しくなって続ける方からお話を聞くと嬉しくなりますね。
ー女性のダイエット効果はありますか?
あります。脂肪を燃やすために軽めの筋トレもしてもらいます。
がっつり筋トレすると楽しくなくなってしまうので、サンドバックを使ったり楽しくできるようにしています。
ひねる動きを意識すると効果が高く、ウエストや背筋が鍛えられるので女性にもおすすめですよ。
ー指導者としての目標はありますか?
チャンピオンになるようなプロを出したいと言う思いもありますが、一番は長く続けられるような場所にしたいです。
プロを目指すような人でもすぐにやめちゃったら意味がないんです。
スパーリングをガンガンやらせていた時もありましたが、楽しんでボクシングをやっていって徐々に強くなってもらえればいいかなと思っています。
今回インタビューを行ったのは
- 東村山市にあるボクシングジム「久米川木内ボクシングジム」
- 代表 木内 信弥
- 公式HP:https://kiuchi-boxing.com/