
UNITED BOXING GYM 代表 阪東ヒーロー
今回お話を伺ったのは、17歳でプロデビューをはたし元日本Sフェザー級1位にも輝いた阪東ヒーローさん。
現在はUNITED BOXING GYMのトレーナーとして、多くのプロや一般の生徒さんを指導されています。
ボクシングの魅力やボクサーとしての経験をインタビューしました。
ボクシング好きの父の影響 個人の実力で勝負する、ボクシングの道へ
ーいつからボクシングを始めたのですか。
ボクシングを始めたのは3歳の時ですね。
父親がボクシングが好きで、兄貴と一緒に習い始めました。
最初はほぼ強制的にやることになり、嫌で嫌で仕方なかったです。
家でトレーニングの日々を過ごし、小学2年から6年までは学校終わりに毎日ボクシングジムにも通う生活でした。
ーボクシングとサッカー、両方取り組む学生時代
小学生の時には、サッカーも習い始めました。
かっこいいイメージもあり、モテそうなスポーツだと思って当時はやっていましたね。
サッカーは団体競技。
自分がどれだけ頑張って活躍しても、チームとして勝てない試合もたくさんありました。
自分が活躍できなくても勝てる試合もあったんです。
逆に、ボクシングは個人競技なので、全てが自分次第。
勝てば自分だけが脚光を浴びますし、自分がやらなければ負けてしまいます。
ーなぜボクシングを選んだのですか。
中学2年から本格的にボクシングの道に進むことにしたんです。
もともと身体能力には自信があり、それまではブラジルへサッカー留学することも考えたりもしていました。
でも、自分ひとりの実力で勝負し、強い人が称賛されるボクシングにやりがいと魅力を感じ、有名になって存在をアピールしたいと考えるようになりました。
そして家業やアルバイトでお金を貯め、兄・いとことともに、地元愛媛を離れて、東京のジムでトレーニングすることにしました。
プロになって気付いた 周囲の人々のあたたかさ
ーボクシングの魅力は何ですか。
ボクシングの魅力は、「人を変えられること」だと考えています。
応援してくれる人々の温かさや大切さを感じられる競技です。
僕は、愛媛から東京に出てきてすぐは、人と関わるのは嫌いでした。
なんとなく都会の人は冷たいイメージもあり、誰とも話すことなく、ただただ日々のトレーニングに打ち込んでいました。
とにかくはやく誰よりも強くなりたい、その思いが何よりも強かったですね。
自分を馬鹿にした人を強くなって見返したい、最初は周りは全員敵だと思っていました。
そんな自分が、プロになって試合が決まると、試合のチケットを自分で売らなければいけませんでした。
はじめは「どうしよう、東京に知り合いもいないし」と思いましたが、勇気を出して行きつけのお弁当屋さんの方に声をかけました。
そうしたところチケットを買ってくれて、応援しに来てくれたんです。
ー気持ちの変化はありましたか。
自分のために応援してくれる人がいることがめちゃくちゃ嬉しかったですね。
そのときから、考え方が180度変わりました。
自分のために応援してくれる人たちのために、「期待に応えたい」「強くなりたい」と気持ちが変化しました。
人の優しさに触れることで、自分の周りの人々の大切さに気付くことができたんです。
僕は自分に偽りなく生きてきました。
一生懸命ボクシングに打ち込み、自分に嘘をつかない。そうやって努力をすることで、必ず見てくれている人はいるのだと分かりました。
ボクシングが僕の人生を変えてくれました。
忘れられない試合 悔しい思いをバネに今の自分がある
ー今までで、忘れられない試合はありますか。
プロになって7戦目、初めて負けたことは絶対に忘れられません。
デビュー戦ではKO勝ち、それまで世界一、宇宙一強いと思っていた自分が負けてしまったんです。
当時はすぐに日本チャンピオンになれると、完全に油断していましたね。
日本トーナメントの決勝でアメリカの選手にKO負け。1ラウンド開始早々負けてしまい、まったく記憶がありません。
ーその時、どんな気持ちになりましたか。
周囲から強いと期待されていた自分が負けてしまい、その事実を信じられず、恥ずかしくて生きていけないと思っていました。
泣きたいけれど泣けもしない、死にたい、悔しい、いろんな感情が混ざり、どうしようもない気持ちになりました。
負けたという現実を受け入れるまで、1カ月はかかりましたね。
そうするとだんだん、「負けた相手に絶対にリベンジしてやる」、「もっともっと強くなりたい」という想いがこみ上げてきました。
ーその後の競技人生にも変化はありましたか。
その後、バレロという世界ランカーとの試合も、自分に大きな影響を与えてくれました。
結果は負けたのですが、強すぎるバレロに対して「この相手に勝つためにボクシングをするんだ」と、モチベーションが高まりました。
すべては負けが気付かせてくれたんです。
初めての負けとバレロとの試合、この2試合は絶対に忘れられませんね。
自分の負けを起爆剤に、もっともっと上を目指すようになりました。
ボクシングジムを開いた経緯 指導者としての道
ーなぜボクシングジムを開くことにしたのですか。
プロ時代、日本タイトルマッチでケガをしてしまい、引退しなければいけなくなりました。
「ボクシングで始まりボクシングで終わる」と決意していた自分にとって、突然の引退は受け入れることができませんでした。
しばらくは心が荒み、刺激のない毎日を送っていました。
そんななか元トレーナーが僕が再出発できるよう、必死でサポートしてくれました。
最初は僕も断っていたのですが、また誰かのために役に立つことができるんじゃないかと思うようになっていったんです。
そしてボクシングジムでトレーナーとして再出発することになりました。
ーどのようなジムを目指したのですか。
はじめ、このジムは男っぽい、本格的なプロのジムといった雰囲気で、一般の人が入りにくいところでした。
広くて施設も充実、海外との試合のセッティングもできる素晴らしいジムにも関わらず、会員さんが増えない状況だったんです。
特に昼間の会員さんが少ないのが課題でした。
そこでファミリー層が多い地域だったことに気付き、昼間のママさん会員のコースを作りました。
今では女性会員さんも多くなり、日々それぞれの目標に対して努力をされている方ばかりです。
うちではボクシングを正しく楽しく学べて、瘦せることもできます。
また、ボクシングを学ぶだけではなく、人のあたたかさ、コミュニケーションも大切にしています。
ボクシングを通して、鬱を乗り越えた生徒さんもいますし、ジムをやめた後も連絡を取り合っている生徒さんも多くいますよ。
ジムで出会って結婚する生徒さんもいます。
僕はジムの仲間は家族だと思っていますし、生徒さんの人生にも大きくかかわっていけるジムを目指しています。
UNITED BOXING GYMで本物の自分へ
ーUNITED BOXING GYMに通うと、どんな人になれますか。
うちのジムは本気で変わりたい人、努力し続ける人を全力でサポートしています。
一人でも多くの人に「本物」になってほしいと思っています。
本物とは、努力し続ける人のことだと考えています。
努力するプロセスが一番大事で、その姿は周りの人々が絶対に見ています。ただただボクシングが強いだけではありません。
本物にこだわり、本物を目指すことで、本物になることができます。
UNITED BOXING GYMでは努力をしている人を全力で応援しています。
ひとりひとりの生徒さんとコミュニケーションをとりながら、指導しております。
自分自身で限界を作らず、ポジティブに取り組み、一緒に限界を突破していきましょう。
ボクシングは体力的にも精神的にも相当ハードなスポーツですが、ここでなら楽しく前向きに、全力で取り組むことができます。
変わりたいと思っている人にぜひ来てもらいたいと思っています。
ボクシングを通して内面が変わることで、自然と外見も変えることができます。
今回インタビューを行ったのは
- 江戸川区にあるボクシングジム「UNITED BOXING GYM」
- 代表 阪東ヒーロー
- 公式HP:http://www.united-boxing-gym.com/