地域密着型ボクシングジム「佐藤ボクシングフィットネス」が愛される理由

地域密着型ボクシングジム「佐藤ボクシングフィットネス」が愛される理由

佐藤ボクシングフィットネス 会長 佐藤賢治

埼玉県春日部市にあるボクシングジム「佐藤ボクシングフィットネス」さんにお伺いしました。

2012年に設立されて以降、地元密着型のボクシングジムとして地域住人に愛され続けています。会長である佐藤賢治さんはプロ経験もあり、在籍しているスタッフも実績と経験を兼ね備えた方が揃っています。

今回は佐藤賢治さんに、ご自身の経歴から経営しているジムまで詳しくお話を聞きました。

 

大学生時代に全日本連覇、そしてプロへ

-簡単に経歴を伺ってもよろしいでしょうか。

私は高校からボクシングを始めて、その後に日本大学にスカウトされました。

1年生の時は日本大学が一部リーグから六部リーグまである中の、一番強い大学だったんですよ。2年生の時に全日本2位、大学3年生と4年生で全日本優勝、そのあとオリンピックの日本代表に選ばれました。

プロでやりたいという意識はあったので、卒業後にプロに行くことに決めました。

ボクシングというのはアマチュアで戦績があると、プロでは六回戦デビューになります。私は辰吉丈一郎さんに憧れていましたから、辰吉さんみたいなパフォーマンスをするんだという気持ちで試合をしていましたね。

 

一時はサラリーマンに。そして脱サラ

-ボクシングを辞めてから、ここを開く経緯を教えてください

引退した後に私はサラリーマンをやってたんですけど、地元の先輩たちとゴルフをする機会がありました。その時に会場を貸してくれている会長さんがコンペの挨拶をしのたですが、その方のスピーチが素晴らしくて、凄く感動したんですよ。

会長さんに挨拶をしたときにジムの話になって、「うちで空いてるところあるから、そこでやりなよ」と言われました。それでやってみようかなって思い、始めたのがきっかけです。

その時は最初から全部施工も考えていたのですが、予想以上に予算がかかってしまったんです。最初はサラリーマンやりながら、夜だけジムを開こうと思っていたのですが、これじゃあ厳しいなと思い、奥さんに相談しました。

ジム一本でやりたいと言ったら、「あんたがやりたいならやってみれば」と言われて踏ん切りついてサラリーマンを辞めてジムに専業することにしました。

 

-素敵な奥さんですね

その時の言葉が無かったらジムをやっていなかったですし、普通の人なら反対してたと思います。

 

怪我をきっかけに、経営者としての責任を意識した

-ボクシング人生で一番大変だったエピソードはありますか?

休日中に旅行に行ったときに、旅行先で事故が起きて入院してしまったことがありました。

このままだとジムを開けないから、病院には無理を言って退院しようと思っていたのですが、許可が下りず本当に頭を抱えましたよ。その時は知り合いに頼んでジムを任せていたんですけど、このままだと仕事もなくなるし、家族に飯も食わせられなくなるしどうしようって。

でも会員さんをはじめ、待ってくれている人がいるから、どうしても復帰しようと思いました。

 

ボクシングは殴るスポーツだけど、パンチをもらうスポーツではない

-ボクシングの魅力について教えてください

選手と一般の方とでは、目線が少し変わってくるかなと思います。

フィットネスの目線でいうと、ボクシングは痛みを伴うスポーツだということを耳にしますが、殴るスポーツではあるけれど、パンチをもらうスポーツではありません。

スパーリングなどに関してもやらなくてもいいですし、とりあえず怖がらないで挑戦してみてほしい。皆さんが来て、こんなジムに来て良かったと言ってもらえるので、来てもらえれば分かるかなと思います。

個人個人に体力の差がありますし、その人に合わせたメニューを組んでいますので、安心してボクシングをすることができます

 

それぞれ変わっていった生徒たち

-印象に残った生徒さんはいらっしゃいますか

ここのトレーナーでSさんという人がいるのですが、その人は中学生の時に初めてこのジムに来ました。

当初はお父様と一緒に入会したのですが、最初はジムに来ても練習をしないで、ずっとゲームをしているような少年でした。こちらから練習しようよと言っても、ゲームのほうが楽しいからと言って練習をまったくしない。

でも、いつの間にかどんどんボクシングにのめり込んで行って、父親が先に辞めてもずっと通い続けてくれたのです。そして、人間としてもトレーナーとしても誇れるような人に成長してくれました。

 

あと中学生の会員さんで、柏市から通っていた子がいらっしゃいました。訳があって学校に行かずに登校拒否をしていた子で、いつも平日の昼間に来てくれていましたよ。

ご両親から鍛えてくれと言われていたので、心も体も鍛えてやろうと思いました。

そうして鍛えていたら、気持ちまで徐々に強くなっていって、最後には学校にも行けるようになりました。学校に行くようになってジムは辞められたのですが、学校に通えるようになって良かったなと思います。

 

こういう会員さんの話を聞くと、人の役に立っているんだなと感じますし、こうして話してもらえたことは忘れられないです。

 

「このジムがなくなると困ります」と言ってくれる会員さんがいる

-誰かの役に立つ仕事って素敵ですよね

今はコロナだから色々厳しい状況ですけど、オープン当初から通ってきてくれている会員さんには「潰れると困ります」と言われました。

それが凄く励みになるので、そういう風に思ってくれる人がいるのなら、できるだけ続けなければいけないと思っています。

 

自信を持てる自分を作る

-このジムに通うとどんな自分を作れますか

やはり心が強くなって、自分に自信が持てるようになります

自分の目指す体型になる。「なれる」じゃなくて「なる」ように指導しますし、それでいて健康維持だったりストレス発散ができるジムになっています。

 

-指導者としてのこれからの目標を教えて下さい

あそこに行けば楽しく練習が出来るって思えるジムであり、トレーナーでありたいです。

楽しくないと続かないですし、楽しいから続けられる。楽しさを感じてやっていたら、勝手に体が変わっていたみたいに思ってもらえれば嬉しいです。

 

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