
高たんぱく低脂質ダイエットは、その名のとおり高たんぱく質で脂質が低い食品を積極的に摂ることで肥満を改善するダイエット方法のこと。たんぱく質は三大栄養素の中でも最も脂肪になりにくい性質があり、ダイエットに向いているのです。
ではどのような食品が高たんぱくで低脂質なのでしょうか。ここでは高たんぱく低脂質食品の特徴やコンビニでも手に入る高たんぱく低脂質な食品、食品を使用したレシピ、高たんぱく低脂質ダイエットで気を付けるべきことなどを紹介します。高たんぱく低脂質ダイエットに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
高たんぱく低脂質食品の特徴
ダイエットを行うなら運動も必要ですが、食事も大切です。食べる量を減らしても脂肪分が多いものばかり食べては体に負担をかけてしまいますし、逆にたんぱく質を減らすと日常生活の活動に影響が出る可能性も。
そこでダイエット中の食事で積極的に摂りたいのが、高たんぱく低脂質の食品。厚生労働省の「特別用途食品と栄養表示基準の比較」によると、高たんぱく質と表示可能な基準は「100gあたり15g以上」です。同じく低脂質では、「100gあたり3g以下であること」とされています。
つまり高たんぱく低脂質の食品は、100gあたり15g以上のたんぱく質と3g以下の脂質が含まれる商品ということ。高たんぱく低脂質の食品にはどういったものがあるのか見ていきましょう。
たんぱく質不足になるとどうなる?
たんぱく質は臓器や筋肉、皮膚、骨や歯、毛髪や爪などの体の材料となるほか、免疫機能を高めたり酸素を構成したりなど、体内で多くの役割を担っています。
たんぱく質不足になると、筋肉量が減ったり肌や髪のトラブルが起きたり、思考力・集中力が低下する可能性があります。ダイエット中はついつい食事を疎かにしがち。でも心身に不調をきたさないためにも、たんぱく質をしっかり摂るようにしましょう。
コンビニでも簡単に手に入る!高たんぱく低脂質食品
高たんぱく質で低脂質の代表的な食品には、肉・魚・卵・乳・大豆製品があります。これらの中でもコンビニで簡単に買うことができて、気軽に摂取することができる食品を紹介します。ひとつずつ見ていきましょう。
ゆでたまご
まずはゆでたまごです。卵100gのたんぱく質の量は12.2g、脂質は10.2gで、多くのたんぱく質が含まれます。しかもただのたんぱく質ではなく、質のよいたんぱく質が含まれる食品なのです。
必須アミノ酸のスコアが100に近いほど良質のたんぱく質といわれていますが、たまごはこのアミノ酸スコアが100の食品。また、ビタミンやカルシウム、鉄など、身体によい栄養素も多く含まれています。
ただし脂質は少々多く、カロリーも100gあたり142kcalと少し高めです。1日に摂取する量に気を付けた方がよいでしょう。
豆乳
豆乳の原料は大豆で、豆乳は大豆をすりつぶして液体を絞った乳液の状態のもの。植物性の大豆たんぱく質が30%ほど含まれています。特徴は吸収率が高く、吸収速度が牛乳タンパク質に比べて遅いということ。吸収速度が遅いので満腹感が得られやすく、ダイエット中の強い味方になってくれるでしょう。
豆乳には、無調整豆乳・調整豆乳・豆乳飲料などさまざまな種類があります。高たんぱく質で低脂質として利用するなら、無調整豆乳がおすすめ。100gあたりのたんぱく質は3.6g、脂質2.0です。牛乳と比較すると、高たんぱく質低脂質、低糖質でコレステロールを含みません。
サラダチキン
どこのコンビニでも手軽に手に入るサラダチキンは、たんぱく質を多く摂りたい人におすすめの一品。鶏肉を蒸した商品で、使用されている部位のほとんどがむね肉になります。
コンビニで売られているサラダチキンは1つ110~125g程度。商品によって異なりますが、たんぱく質は25~28gほど、脂質は1.5~2.0gほどとなっています。高たんぱく質低脂質とされる基準の値をクリアしていて、まさにダイエットに欠かせない食品といえるでしょう。
調理せずにすぐ食べられるのもメリットのひとつ。ただし近年サラダチキンは多様化していて、ハーブやスモーク、レモンなど味が付いている商品も多いです。味が付くことで脂質量が増えている場合もあるので、栄養表示をしっかり確認してから買うようにしましょう。
納豆
納豆100gあたりのたんぱく質は16.5g、脂質は10.0g。脂質は少々多く、たんぱく質も群を抜いて高いわけではありませんが、納豆はエネルギー・たんぱく質・脂質ともにバランスよく含まれている食品です。
納豆1パックでエネルギー・たんぱく質・脂質をバランスよく摂取できるので、ダイエット時だけでなく日常から取り入れたい食品のひとつ。1日1パックを目安に食べるとよいでしょう。
ツナ
実はツナ缶も、高たんぱく低脂質の食品です。100gあたりのたんぱく質は16.0g、脂質0.7gであるため、高たんぱく低脂質の基準値を満たしています。
手軽に買えて値段も安く、加熱不要で食べられるツナ缶はダイエットにぴったりの一品なのです。そのままの味に飽きたとしても、調理方法は数多くあるためツナ缶自体に飽きることはないでしょう。油漬けのツナの場合、良質な植物油が使用されているため、その油も料理に使用することができます。
高たんぱく低脂質食品の飽きないレシピをご紹介
高たんぱく低脂質食品を使用した飽きのこないレシピを紹介します。ひとつずつ見ていきましょう。
旨塩ブロッコリーとササミ炒め
まずは旨塩ブロッコリーとササミ炒めです。短時間で作れるため、忙しい人にぴったりの一品でしょう。
材料は以下のとおり。(分量2人分)
- ササミ:7本
- ブロッコリー:1房
- 生姜:1片
- 酒:大さじ1
- 塩:2つまみ
- 中華だし(顆粒):大さじ3
- コショウ:少々
- 水:100㏄
- ごま油:大さじ1
- 片栗粉:大さじ1弱
【作り方】
- ササミを一口大に切って塩1つまみと酒で下味を付けます。さらに片栗粉を加え、均一にまぜます。
- フライパンにごま油と生姜、1を入れて両面に焼き色が付くまで炒めます。
- そこにブロッコリーと中華だし、塩1つまみ、水を加えて蓋をします。
- 火が通ったら蓋をはずし、水分をとばします。コショウで味をととのえて完成。
納豆とサラダチキンのオートミール丼
納豆とサラダチキンのオートミール丼は、火を使わずに簡単に作れます。ボリュームがあるので1杯で満足できるでしょう。
材料は以下のとおり。(分量1人分)
- オートミール:40g
- 水:60㏄
- キャベツの千切り:食べたい分だけ
- サラダチキン:55g
- 納豆:1パック
- ゆでたまご:1個
- 醤油:お好みで
【作り方】
- 耐熱皿にオートミールと水を入れてレンジで1分加熱します。
- 一度取り出し混ぜてから、再度レンジで1分半加熱します。
- 1のオートミールにキャベツの千切りを乗せ、その上でサラダチキン、納豆、ゆでたまごを乗せて醤油を垂らしたら完成。
炊飯器で簡単ローストビーフ
牛もも肉も100gのたんぱく質22.5g、糖質0.5gと、高たんぱく低脂質の食品。そんな牛もも肉を使った美味しい一品を紹介します。炊飯器で失敗知らず!
材料は以下のとおり。(分量4人分)
- 牛もも赤身ブロック肉:400g
- 塩:小さじ1/2
- 粗びき黒コショウ:小さじ1
- ローリエ:1枚
- 赤ワイン:大さじ2
- オリーブオイル:大さじ1
- クレソン:適量
[A] - 醤油、無塩バター:大さじ1
- はちみつ:大さじ1/2
- おろしにんにく:1/2片分
【作り方】
- 牛肉の表面全体にフォークで数ヶ所穴をあけ、塩・粗びき黒コショウをすり込みます。
- フライパンにオリーブオイルを熱して牛肉を入れ、強火で表面全体を焼きつけます。
- ジッパー付きの袋に2の牛肉を入れ、ローリエを加えて空気を抜いて口を閉じます。
- 炊飯器の内釜に袋を入れて湯200mlを注ぎ、蓋を閉めて保温モードで30分置きます。
- 取り出してあら熱を取ります。
- 2のフライパンに赤ワインを煮立ててアルコールを飛ばし、[A]を加えてとろみが付くまで煮詰めます。
- 牛肉を食べやすい厚さに切り分け器に盛って6のソースをかけ、クレソンを加えて完成。
ツナハンバーグ
ノンオイルのツナ缶を活用した高たんぱく低脂質のハンバーグです。
材料は以下のとおり。(分量2人分)
- ツナ缶(ノンオイル):2缶
- おからパウダー:大さじ4
- たまご:2個
- 玉ねぎ:1個
- オリーブオイル:適量
- 大葉:1枚
【作り方】
- 玉ねぎをみじん切りにします。フライパンにオリーブオイルを熱し、半透明になるまで炒めます。
- 大葉を千切りにします。
- ボウルにあら熱が取れた玉ねぎ、ツナ缶(汁ごと)、たまご、おからパウダーを入れてよく混ぜ、混ざり切ったら楕円形に形作ります。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、3を中火で焼きます。焼き色が付いたら、ひっくり返して裏側も焼きます。
- 2~3分弱火で蒸します。
- 火が通ったら皿に移し、大葉を添えて完成。
豆乳キノコスープ
豆乳を使用した豆乳キノコスープは、体にも優しい一品です。
材料は以下のとおり。(分量3~4人分)
- 舞茸:100~150g
- マッシュルーム:50g(大5個)
- 豆乳:200㏄
- 牛乳(水):200㏄
- オリーブオイル:大さじ2
- コンソメ:5g
- 塩:少々
【作り方】
- 舞茸は割いて、マッシュルームは4枚くらいにスライスします。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、舞茸とマッシュルームを香りが出てしなっとするまで炒めます。
- 2と豆乳をミキサーにかけます。
- フライパンに戻し、コンソメ、牛乳(水)、塩を加えて中火で温めます。
- 器に注ぎ、好みでトリュフオイルを垂らして完成。
高たんぱく低脂質ダイエットで気を付けたいこと
高たんぱく低脂質ダイエットをするにあたり、気を付けたいポイントについて紹介します。
水をたくさん飲む
たんぱく質を食べると体内で分解されてアミノ酸になりますが、それには窒素が含まれています。余分な窒素は、体液とともに体外に排出されます。そのため、高たんぱく低脂質ダイエットをする時には水分摂取量を増やすことが大事です。例え喉が渇いていなくても、こまめに水分を摂るようにしましょう。
植物性たんぱく質と動物たんぱく質の両方を摂取する
たんぱく質には、植物性(米・小麦・大豆製品など)と動物性(肉・魚介・たまご・乳製品など)があります。最大の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。動物性たんぱく質の多くは9種類の必須アミノ酸を含みますが、一部の植物性たんぱく質には不足しているものも。体の吸収率も動物性たんぱく質に対し、植物性たんぱく質は低いです。ただし、動物性たんぱく質だけでは脂肪の過剰摂取に繋がる可能性があるので注意が必要です。
一方植物性たんぱく質は油脂をほとんど含まないため、低脂肪・低カロリーの食品となります。ただし植物性たんぱく質だけでは必須アミノ酸をすべて賄うことができず、栄養バランスが偏ってしまいます。
健康を維持する上では、どちらかに偏ることなく、両方をバランスよく摂取することが大切です。
有酸素運動をする
有酸素運動とは、比較的負荷の軽い運動を時間をかけて取り組むこと。酸素を身体の中にしっかり取り込みながら、脂肪を燃焼させます。筋トレほどではないですが、低負荷の運動であっても筋肉を使うため疲弊します。
傷ついた筋肉を回復させて成長させるには、たんぱく質は絶対に欠かせません。特に有酸素運動後45分以内は、摂取した栄養を身体が吸収しやすい状態になります。この間にたんぱく質を摂取すると、体内に素早く吸収されるでしょう。
バランスよく他の栄養素も摂取する
高たんぱく低脂質の食品がダイエットによいからといっても、そればかり食べていては健康にはよくありません。炭水化物やビタミンなど他の栄養素を抜きすぎないことも大切です。健康的な脂肪分は体にエネルギーを与え、栄養分吸収を高めて細胞の成長を助けてくれます。バランスよくさまざまな食品を食べることが、健康的に痩せられるコツですよ。
外食の際には、あまり調理の手が加えられていないものを選ぶ
ダイエット中とはいえ、たまには外食をしたいですよね。ストレスを溜めないためにも、たまには息抜きすることも大切です。また会社の飲み会や友達との約束など、断りにくいこともあるでしょう。
外食の際には、なるべく調理の手が加えられていないものを選ぶようにしましょう。手の込んだ料理は、調理中に砂糖や油、バターなどを多く使っている可能性があるからです。刺身やステーキなど素材に近いメニューを選ぶとよいでしょう。
まとめ
高たんぱく低脂質の食品にはさまざまなものがありますね。コンビニで手軽に購入できる食品もたくさんあり、ダイエットの強い味方です。また、ネットや本などには高たんぱく低脂質の食品を使ったレシピが数多くあるので、飽きずにダイエットを続けられるでしょう。
ただし高たんぱく低脂質にこだわりすぎるダイエットは、身体によくありません。バランスよく他の栄養素を摂取し、有酸素運動も取り入れて健康的なダイエットを行うようにしましょう。