ケガを乗り越えてプロボクサーの父の跡を継ぐ「輪島功一スポーツジム」

ケガを乗り越えてプロボクサーの父の跡を継ぐ「輪島功一スポーツジム」

 

昭和に活躍したボクシングの名選手と聞かれれば、輪島功一さんの名前が挙がることも多いでしょう。

その輪島功一さんが1988年に設立した「輪島功一スポーツジム」は、次男の輪島大千さんが引き継いでいます。

輪島大千さんもプロボクサーとして活躍し、現在はジムの経営者として手腕をふるっています。

今回は代表の輪島さんにインタビューを行い、ジムの特徴や魅力についてお聞きしました。

 

偉大な父のジムを引き継ぐ

-これまでのご経歴について教えてください
このジムを父親が始めたのは1988年でした。

確か僕が小学校6年生の時でしたが、その時は遊びながらボクシングをしていて、本気でボクシングをしていたわけではありませんでした。

 

ボクサーとしてやり始めたのは25歳になってからで、それまでに何かに打ち込むということが無かったんです。

しかし、25歳というのは父親がプロでデビューした歳なので、やるなら今しかないなと思ってボクシングを始めて、31歳の時にプロデビューしました。

 

ただ、肩のケガにずっと悩まされていて、治療しながらやっていましたが、なかなか改善されませんでした。

自分も、納得のいく状態でやりたいし、父親の重圧もあったのでやはりしっかりとやりたいなと思っていました。

やっと肩が改善してきたのがデビューの直前だったので、31歳のデビューになりました。

重圧も感じていましたが、プロになったという意識と、父親と同じ土俵に上がったという嬉しさがありました。

 

満足な練習ができない不安と焦り

-今まで壁を感じたことは何ですか
壁というより、肩のケガでなかなかデビューができなくて、結果的に選手を5年くらいしかやれなかったことが歯がゆいです。

 

左の肩をケガしていたんですけど、ボクシングは左を封じられると途端に厳しくなります。

ジャブも打てないような状態で右だけ使っていると、右もおかしくなってしまうので、やりたい練習が全然できませんでした。

基礎のトレーニングやフォームのトレーニングや走り込みばかりで、デビューできるのかという不安や焦りはありました。

 

-その不安に対して、どういう風に向き合いましたか
調子がいい時はやりたい練習ばかりやりがちですが、調子が悪い時こそ基礎とかやっていました。

僕はワンツーだけをずっとやっていましたが、ワンツーは基本だけど一番奥が深くて難しい。

最初は苦手でしたが、それを克服したときにはワンツーが一番得意になっていて、右ストレートでダウンを取って勝った時もあります。

怪我は歯痒い時期でもありましたが、基礎を固めるきっかけにもなりました。

 

東洋チャンピオンを育てた喜び

-今までで一番嬉しかったことは何ですか?
選手として1試合1試合勝つのも達成感がありますが、トレーナーとして自分が見ている選手が東洋チャンピオンになった時が自分の中で節目でした。

自分のジムからタイトルホルダーが出たということは、凄く達成感がありました。

-他にも印象深かった生徒さんはいますか?

一番は東洋チャンピオンになった子です。

素行が悪くて少年院に行ってたこともあったのですが、その少年院で父が書いた本と出会って、それでこのジムに来てくれました

チャンピオンになることを目標に練習をして、僕もセコンドに付いたりして東洋チャンピオンになってからもタイトルを何度も防衛しました。

その人と会えたことで自分も成長しましたし、今もその選手は過去に父が所属していた他のジムで頑張っています。

今世界ランキング3位なので、多分近々世界に挑戦するチャンスがあると思います。

 

-セコンドにも入っていらっしゃったのですね
チーフセコンドというのが選手とタッグを組むセコンドで、それをサポートするのがサブセコンドと言います。

チーフで入るときは選手と練習のことや戦術のことなどを2人で共有してやっていくので、思い入れも強いですし気持ちが入る分、心配もあります。

試合が終わったら選手と同じようにぐったり疲れます。

 

一番シンプルな競技だから、様々なものが掘り下げられていく

-ボクシングの魅力を教えてください
格闘技の中でも一番シンプルだと思います。

攻撃するのも2本の腕で、攻撃個所も前と横だけに限られているので、当てるのも難しい。

だから、技術や戦術がより掘り下げられているのではないのかなと思います。

 

素人向けの派手な試合や、玄人向けの地味な試合とかもありますし、戦術を立てて一生懸命練習をして試合に出ます。

選手として勝った喜びも、選手を勝たせる喜びもあります。

 

試合に向けての期間、年に3試合とか4試合とかしかできないので、1試合1試合にかけるものが気持ちも努力も大きいでし、勝敗を賭けて2人が戦うというのが面白いです。

リング上の2人しか分からないこともありますし、戦っている2人は拳を交えているから、互いにリスペクトする気持ちが芽生えるのだと思います。

 

みんなの目的に近づけるようなジム

 

-このジムをどういう思いで運営、指導をしていますか
プロをしっかりと育てたいとか、世界チャンピオンを育てたいという夢も勿論あります。

しかし、一般の生徒さんが多くて、それぞれ目的が全然違います。

ボクシングが純粋に好きな人や、ボディメイクなど目的が違うので、みんなの目的に少しでも近づけるように、来て良かったと思えるジムにしたいです。

 

-指導するときに気を付けていることを教えてください
その人の目的を言葉に出せない人もいるので、そういうのを察しながら接します。

自信が付いてきたら、試合形式のスパーリングの大会に出たいという人もいるので、そういう気持ちを察してあげることです。

 

-指導者としての目標や展望はありますか
父親が残してくれたジムを守っていきたいし、固定概念に縛られずに色々取り入れていきたいです。

ジムをどんどんいい空間にしたいし、地域の人に愛されるジムにしたい。

いつも思っていることが、プロの人は試合とかの日程もあるので期限がありますが、ダイエットなどで来ている人などは、期限がない分、一喜一憂しやすいです。

 

健康維持もダイエットも体を作るのも一生のことだと思うので、長い目で見てほしいです。

そういうものに取り組んでいることだけでも素晴らしいことです。

ただし、無理しすぎないように頑張れるときは頑張って、美味しいもを食べるときは食べるでいいと思います。

気が滅入るようなやり方や頑張り方では、結局長続きしません。

 

なりたい自分になれる

ジムに来る人はプロでも、プロ志望でも目的が違いますし、一般の人はダイエットとか、筋肉付けてカッコいい体になりたいなどもあります。

ボクシングのジムなので、ボクシングを通じて、自分が目指しているところに近づいてほしいと思います。

 

店舗名 輪島功一スポーツジム
代表者名 輪島 大千 様
住所 東京都杉並区松庵 3-32-11 松庵ビルB1
電話番号 03-5370-8458
公式HP http://www.wajima-gym.com/

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